ビジネスレベルの英語力とは?求められる資格のレベルや習得方法を解説

本サイトは一部に広告を含みますが、記載情報はその影響は受けておらず、公平・中立な立場で制作しております。
ビジネス英語
  • URLをコピーしました!

「大企業や外資系企業で認められるビジネスレベルの英語力って、どの程度なの?」

と思ったことはありませんか?

企業が求めるビジネス英語力については、単純にTOEICで高い点を持っていればよいかというと、採用・評価する側にとっては必ずしもそうではないのです。

こんにちは、かろじん(➡プロフィール)です。
私はこれまで20年以上 大企業の海外部門や外資系企業に勤務し、責任者になってからは採用側の立場で、海外のメンバーと連携し活躍できる人材の獲得にも携わってきました。

本記事では、いわゆるグローバル人材かどうかを見極めるために、私が意識して確認していたポイントと、本当に仕事で使えるビジネス英語力を磨いていくためには何が必要なのかについて解説します。

Contents

ビジネスレベルの英語力とは?

ビジネス英語シーン

ビジネス英語力の私の定義は 「英語を使ってさまざまな海外のメンバーと効果的に業務を推進できる力があるかどうか」で、全くできないレベルをゼロとして、下記3段階で評価しています。

ビジネス英語レベル
<レベル1> 初級レベル

メールなどで基本的な用件を英語で伝え、回答内容を理解して業務タスクやプロジェクトを前に進めることができる。(※ 更にパワーポイントなどの資料も、英語で作成できると望ましい)

<レベル2> 中級レベル

英語の会議に参加し、そこでの議論が理解でき、最低限必要なレベルででも自分の意見を発信できる。

<レベル3> 上級レベル

意見の食い違いが生じる交渉の場や、さまざまな価値観の方々が参加する会議で、自らが英語でファシリテーションを行ったり、海外メンバーの気持ちを動かすような魅力的なプレゼンテーションができたりする。

ビジネス英語力を評価するポイント

採用面談

大きくは、TOEIC Listening & Readingのスコア(※ 以降、TOEICと記載)と、これまでの英語を使った業務経験において判断します。

TOEICスコア

TOEIC(L&R)は英語での読む・聞く能力のみを評価しており、テクニックによって一定程度得点を伸ばすことも可能なので、必ずしもTOEICスコア=ビジネス英語力有無ではないことは、面談・採用する側も十分理解しています。

ただし、TOEICスコアは、基礎レベルの英語力があるかどうかの1つの客観的基準としては参考にしています

私の基準としては、

  • 600点未満 ⇒ 初級以下(レベル0~1)
    海外メンバーとの仕事は、ちょっと苦労されるだろう
  • 600~850点 ⇒ 初中級程度(レベル1~2)
    即戦力では厳しいかもしれないけど、慣れれば海外メンバーとの仕事もこなせるかな
  • 850点以上 ⇒ 中級以上(レベル2)
    英語力の意味では大丈夫そう

くらいの印象でとらえていました。

ただし、スピーキング力が評価項目にないTOEICスコアからは、例え900点以上の方でもビジネス英語レベル3を満たすかどうかの評価は不可能なので、それ以上の判断は この後の実務経験をみていく流れの中で確認していくことになります。

これまでの英語を使った業務経験

受験者の実際の英語レベルを測る上では、こちらの方をより参考にします。

英語を使って、どのような役割を担ったか?

事前に転職希望者の「職務経歴書」を確認し、これまでの業務で どういった立場で、どのような業務推進を行われてきたのかを確認します。

「100人以上が参画した総額1億円以上のIT導入プロジェクトに参画し、海外のアウトソース開発者とともに大規模システムを開発した経験がある」と書かれていても、実態は決められたルールに従って、定型フォーマットに英語で記入し海外メンバーに連絡するくらいだったり、定例の開発進捗会議に参加していただけだったりといった場合も多いです。

巨大プロジェクトのプロジェクトマネージャーや、組織責任者として海外で働かれた経験がある場合などは、必然的に利害関係が衝突する場面や、周りを引っ張る場面に遭遇する確率が格段に上がります。

英語環境で利害のぶつかる交渉の中心に立ち、現地人を引っ張った経験があるか?

実際の面談を通して、この方の実力を確認していきます。

面談では、あらためて担った立場・役割を本人より説明してもらい、そこでどのような困難に直面し、どう自分で考えて事態の改善を図っていったか?を確認するようにしています。

修羅場の状態から、自分の力だけで一気に大成功に導いたといったサクセスストーリーは信ぴょう性に欠けますし、面談する側も期待していません。

それよりも、さまざまな制約がある中で、その立ち位置を正確に把握し、利害がぶつかる相手の立場も考えながら、どう関係者を巻き込み、状況を少しずつでも改善していったのか、具体性のある話を期待しています。

面談する側は、説明される内容に具体性があり、論理的思考力や本物の言葉で語られているかどうかを総合的に評価しています。

一見まったく英語力の話ではなく、交渉力やリーダーシップの話のように感じられたかもしれませんが、違うのです。

いわゆる即戦力となるような上級ビジネス英語レベル(レベル3)とは、利害の異なる相手の立場に立てたり、それぞれの利害の落としどころを見つけることができたり、自分を一つの核として様々な価値観を持つグローバルな関係者を引っ張っていける英語+αの力が求められるからです。

もちろん英語での話のスムーズさや、使える英語表現のバリエーションの多さも、ないよりあった方が良いですが、会話が多少カミカミでも、語彙が最低限必要事項を伝えられるレベルであっても、このポイントを満たすことの方が実践的な英語力有無の意味では重要な意味を持ちます。

海外メンバーに対しても、相手の立場に立ち、周りを引っ張っていく力があるか?

「世界の果てまでイッテQ!」の人気コーナー「出川イングリッシュ」で、お世辞にも英語が得意とはいえない出川(哲郎)さんが英語で話しかけた時の方が、英語が流ちょうに話せる河北(麻友子)さんよりも、外国人に質問を聞いてもらえ、必要な情報を引き出せたということがありました。

河北さんが現地で通行人に「Excuse me, may I ask a question?」 と丁寧に訪ねて、多くの人から「No, sorry」 や 忙しそうにスルーされていくときに、出川さんは通行人に切り込んで「Sorry、Sorryね! Do you know XXXXX?」といきなり本題に入り、相手にNoと言わせない。
結果的に出川さんの方が、必要な情報が手に入っていくという流れでした。

ただ厚かましくなれということではなく、自分がこう言ったら相手はこう返すだろう という想像をして、その中で自らが取れるアプローチを見直し、目的を達成することができるかどうか

TOEICを受けたら、間違いなく河北さんの圧勝でしょうが、そこよりも(たとえ日本語交じりでも)自らがきちんと状況を把握し、やり方を工夫して目的達成のために取り組めたのか、ここが上級ビジネス英語レベル(レベル3)を満たす一つの評価指標と考えています。

新卒社会人に求めるビジネス英語力

新社会人

このパートでは、新卒社会人の採用面談をする際に、私がどう評価しているかについて解説いたします。

新卒社会人は未来進行形で評価する

新卒社会人は当然実務経験はないので、あくまで未来進行形で、将来的にグローバル人材に慣れる素質があるかどうかを評価します。

TOEICスコアが600点以上あればなかなか良いですし、800点以上あるような場合は、実務で使えるかどうかよりも それだけ英語力を伸ばす努力ができる人物なのだなと評価します。

学生時代に直面した困難と、そこからどう乗り越えたか?

自ら論理的に考え、工夫し成長できるタイプかどうかを見極めるために、部活でも生徒会活動でも、これまでにどのような困難に直面し、それをどのように乗り越えたのかを確認します。

受動的に流れに任せてきたのか、主体的に自らできる範囲で働きかけ改善できるタイプなのかです。

当然後者の人材を求めており、この価値観はグローバルに共通で、海外メンバーと効果的に連携していける人材は、すべからくこちらの特性があります。

現在地よりも、社会に出てからも学習し、成長し続けられるか?

あと大切な部分が、現状に満足していない人材かどうかです。

新卒社会人でTOEIC900点と聞いても、本音としては「ふーん、すごいね」と思うくらいです。

それよりも、現状の自分の能力に満足しておらず、学生時代以上に社会に出てから学習し成長しようと思っているかどうか、そのためにすでに動き出していることはあるのかという点を評価します。

ビジネスレベルの英語力を鍛えるには

ビジネス英語を鍛える

ビジネスレベルの英語力を鍛えるためには、英語力そのものに加えて、専門分野の業務知識を深めていくことが必要です。

その結果「特定分野においては一通り英語でやり取りができるものの、その他の分野においては英語は日常会話レベル」という人でも、仕事においてはとりあえず大丈夫です。

まずは「選択と集中」で分野をしぼりながら、業務知識と基礎英語力を並行で磨いていきましょう。

TOEICに挑戦する

色々問題点は指摘されていても、TOEICスコアはまだまだ企業側がビジネス英語力を評価する際の指標として健在です。

TOEIC 600点以上、できれば800点は超えるように、日々努力をしてください。

もちろん、TOEICスコアを上げる前段階として、まず英検など他の英語試験に挑戦するのも有効です。
(TOEIC600点に大きく届いていない方は、まずTOEICよりも英検から始められた方が効果的)

英検とTOEICのスコアアップについても解説していますので、こちらも参考にしてみて下さい。

>> TOEIC超初心者向け勉強法

>> 大人が英検受験する際に知っておくべきこと

業務プロセスを理解する

仮に英語が全く分からない人でも、頑張れば海外のマクドナルドでビックマックセットを買うことはできると思いませんか?

これは、日本でマクドナルドを利用したことがある人であれば、

  • マクドナルドの商品にビックマックがある
  • セットでポテトとドリンクが付いてきて、L、M、Sといったサイズがある

といった基礎情報や、注文から支払いまでの一連のプロセスが頭に入っているので、仮に英語が全く分からなくても、雰囲気で何を聞かれているのかの想像ができるからです。

ビジネスにおいても同様で、例えばITシステム導入プロジェクトでは、要件定義 ⇒ システム設計 ⇒ システム開発 ⇒ テスト ⇒ UAT(ユーザーテスト)⇒ 環境整備 ⇒ データ移行 ⇒ 本番切替 ⇒ 臨戦体制 といったフェーズをとることが一般的であり、この理解のもとに海外メンバーと連携するのと、全く勝手を知らず連携するのでは、難易度が天と地ほど違います。

自分が専門性を発揮する業務分野の知識やプロセスについて、まず日本語でもきちんと理解しておくことで、ビジネス英語力にもプラスの影響を与えられますので、専門性を磨くことにも並行で取り組みましょう。

英語力を磨いていく方法

英語力強化を決意した女性

ここでは、実際に英語力を磨いていく方法について、

  • 参考書を使った自習
  • 英語学習アプリ
  • オンライン英会話
  • 英語スクール
  • 英語コーチング
  • 留学する

といった様々なオプションについて解説していきます。

参考書を使って勉強する

自分のペースできちんと勉強を継続できるという方は、最もリーズナブルに取り組める参考書学習がおすすめです。

ただ、あくまで自習という形になる為、英単語のボキャビルやシャドーイング練習、TOEICに特化した学習などはできても、スピーキング力を鍛えたり、実践英語力を身につけたりといったことには限界があります。

その意味では、他のやり方と併用しながら進めていけばよいと思います。

こちらの記事で、超初心者からでも英語力をアップできるおすすめ教材を解説していますので、参考にしてください。

>> 大人向けおすすめ英語学習参考書・問題集

学習アプリで学ぶ

昨今はオンライン環境が充実し、スマホアプリで効果的に勉強ができるようになりました。

英語学習アプリとして最も有名な、リクルート提供「スタディサプリ」は、スマホのアプリ経由で隙間時間で学習することができます。

月々の利用料は格安ではないですが、それでも英会話スクールに通うことを考えればお得です。

【スタディサプリ ビジネス英語コース】

【スタディサプリ TOEIC対策コース】

オンライン英会話を受講する

今や日本でも大分メジャーとなったオンライン英会話といえば、ネイティブキャンプ、レアジョブ、DMM英会話 の3つが有名です。

それぞれ特徴はありますが、私の家でも家族3人が利用し、コスパの面でも内容の面でも間違いないと思うのが、業界No.1のネイティブキャンプです。

月6,480円で予約なしレッスン受け放題(※ 相手を指名予約する際は、専用コインが必要)なので、英語に慣れる意味では気軽に活用できますよ。

【NativeCamp(ネイティブキャンプ)】

英語スクールに通う

自分一人ではどうしてよいか分からない場合は、英語スクールという選択肢もあります。

ビジネス英語に特化したスクールや、生徒と伴走して目標とする英語力達成を目指す英語コーチングスクールなどがあり、それなりの金額はしますが、うまく利用することで英語力を大きく伸ばすことができます。

ビジネス英語に強い英語スクール

ここでは、ビジネス英語コースを専門に扱っているスクールを2つ紹介します。

Bizmates(ビズメイツ)
  • ビジネス特化型でNo.1のオンライン英会話サービス
  • 英語で「話す」だけでなく「仕事ができる」ことを目指し、初心者向けプログラムも用意
  • トレーナーの質の高さと受講生に合わせたオリジナル教材・メソッドにより受講生の90%が上達を実感
シェーン英会話
  • 全国208校、創業40年の老舗英会話スクール
  • 講師は、英語を母国語としたネイティブであり、 英語指導の国際資格を有した人材を採用
  • 関東圏にて、186校の拠点を保有しており、他英会話スクールと比べて最大
  • 英会話スクールは通える事が重要で、都内在住であれば通いやすさという利便性は最強

英語コーチングスクール

最近人気の英語コーチングスクール。
専用コーチがついて伴走しながら、短期集中で英語力を劇的に高めることを目指します。

昨今さまざまなタイプの英語コーチングスクールが出てきていますが、こちらでは ビジネス英語に強く、短期集中型でしっかり英語力を伸ばせる3社をご紹介しています。
(※ その他のタイプも含めた英語コーチングスクール比較は、関連記事を載せておきますので、そちらもご確認ください。)

RIZAPイングリッシュ
  • 圧倒的な知名度、信頼のあるライザップが運営する英語スクール
  • 約15万人を超えるボディメイクで培ったノウハウを応用し、1人1人の課題に合わせて【専属トレーナー】が最適な方法を伝授することで、 効率の良い勉強方法を身に付けられる
  • 英語漬けの毎日を送り、短期間で効果的に学ぶ
PROGRIT(プログリット)
  • マッキンゼー出身の創業者が開発した、課題発見~学習方法設計をコンサルティング
  • 応用言語学や第二言語習得論における科学的知見に基づいた学習カリキュラムの設計と専属コンサルタントによる徹底したサポートにより、短期間で飛躍的な英語力の向上を実現
  • 徹底したスケジュール管理、週1面談、毎日のチャットサポートで、英語学習の継続を支援
PRESENCE(プレゼンス)
  • 日本で最初にできた語学コーチングスクールで、これまでに26,000人以上の方が受講
  • 各コースでは、5名前後でのグループコーチングを実施
  • 2か月という短期間で結果を出すためのノウハウが蓄積されている
  • グループコーチングということもあり、他の英語コーチングスクールと比較しリーズナブルな価格

高価格帯から低価格帯まで、コーチングスクール18社を徹底比較していますので、英語コーチングに興味のある方はこちらも参考にしてください。

>> おすすめ英語コーチングスクール比較

留学する

金銭面と、時間的余裕のある方は、実際に海外に留学するのがある意味で最強です。

過去数年のコロナ禍での海外渡航制限も一段落し、海外留学の機会も得られるようになってきました。

私自身も、大学4年生を1年間休学していったシドニー語学留学が、英語から逃げ続けた人生から反転攻勢するきっかけに間違いなくなりました。

自己投資はかかりますが、それを上回るだけの経験や自信が英語力とともに磨かれますので、興味のある方は、ぜひ前向きに検討してみて下さい。

夢カナ留学
  • 真剣に海外留学・ワーキングホリデー(ワーホリ)を検討している社会人・大学生に対して、留学準備サポートを行うサービス
  • 直営の英語レッスンサービスを持っており、 語学学校からの紹介報酬に依存しないビジネスモデルを構築しているため、 余計な費用負担を削減したオーダーメイドの留学・ワーホリプランを提案することが可能
  • 他社留学エージェントで見積もりと比べ費用の圧縮が可能で、中には半額以上になったケースもあり
スマ留
  • 語学学校の空き時間や空き場所を利用し、 留学費用を従来の最大半額に抑えることを実現
  • 気軽に留学していただくために、期間も1週間から計画可能
  • 世界主要12カ国25都市にサポートオフィスがあり、総勢300名の現地スタッフが在籍
カナダジャーナル
  • 創業35周年のカナダにある老舗現地留学エージェントが提供する手数料無料留学手続きサービス
  • オフィスはカナダ、バンクーバーにありますが、カナダ全域どの都市への留学のサポートも可能
  • 格安留学をしたい方、安心して留学手続きを進めたい方におすすめ

まとめ

ここまで、グローバル人材を評価してきた立場から、ビジネスレベルの英語とは具体的にどういった力が求められ、それを磨くにはどうすればよいかを解説してきました。

記事の中でご紹介したビジネス英語の3レベルについては、私が日系大企業の海外部門で働いていた時も、外資系企業に転職して海外メンバーと仕事をする時も、共通で評価に使えている指標ですので汎用性はあります。

まず現在の実力を把握し、一歩一歩 着実に現場で使えるビジネスレベルの英語力を磨いていってください。


この記事を最後まで閲覧いただきまして、ありがとうございました。         

本記事に関して「表現が分かりにくかった」、「質問がある」などの場合は、お問い合わせより連絡をいただけましたら、わかる範囲でご回答させていただきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
Contents