「大人になって、中学英語からもう一度やり直したい」なんて悩んでいませんか?
英語は中高生のころに習っていても、大人になってずっと使うこともなければ、完全に忘れてしまってますよね?
本当の基礎から勉強しようとしたら、どの参考書や問題集から手を付けたらよいか分からず悩むと思います。
本記事では、そのように悩まれている方が、具体的にどの参考書や問題集を購入して、どう勉強を始めたらよいか解説します。
私(かろじん: プロフィール)も、学生時代英語が苦手で、ずっと英語から逃げ続けた人生でした。
社会に出る少し前に、英語の重要性を改めて感じ、それから懸命の努力と工夫を続け、昨年最難関の英検1級にも合格できました。
いろいろと遠回りや失敗、自分の英語センスのなさに絶望することも多々ありましたが、それらを粘り強く乗り越えてきた経験をもとに、ご説明します。
大人が中学英語からやり直す際のおすすめ参考書・問題集

ここでは、大人になって中学英語からやり直したい方に、おすすめの参考書を4冊紹介させていただきます。
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版(税込み 2,530円)
色々なブログでも必ず紹介されている、中学3年間で知っておくべき英文法が一冊に網羅されている定番の一冊。
本の帯にもあるように、まさに一から英語をやり直したいと感じている大人に向けて書かれた本です!
2022年3月に改訂版が発売されたばかり。
単行本が2,530円と英語の参考書にしては高い方ですが、CD2枚も付いて、価格以上に価値はあること確実です。
- かわいいイラストを交えた丁寧な解説で、英語初心者にもとても読みやすい
- 練習問題も充実しており、ドリルのように学習できる
- 付属CD2枚、無料アプリで音声再生にも対応
長文が読めるようになる中学英単語必修1200(税込み 1,320円)
中学で習う英単語・熟語の中から、必須の1,200語が厳選され、50個ごとにその単語を使った長文問題が用意されているので、高い定着率で英単語・熟語を記憶することができる。
英単語・熟語量については、1,200語では不十分という声もあるが、英語初心者についてはまず量に圧倒されず、「自分でもやりきれそう」と思うレベルでスタートさせるのがおすすめ。
これをやりきった後で、もっと多くの英単語・熟語を含んだ参考書に取り組んだとしても、半分以上の英単語・熟語は見たことがある状態で学習できるので、学習効率の面でも、効果の面でも一層高めることが可能です。
- 厳選された1,200の中学英語における必須単語が網羅されている
- 全体で199ページと、初心者でもやり切りやすい量にコンパクトに整理されている
- 50単語ごとに、その単語を使った長文問題が用意されている
- 付属CDが付いており、CDでのリスニングとリーディングを通じ、英単語の暗記定着率を向上できる
速読英単語 中学版 改訂版(税込み 1,430円)
中学3年間で覚えるべき英単語・熟語 約2,300語を網羅しており、全編424ページの大容量テキスト。
先の「長文が読めるようになる中学英単語必修1200」と比べるとボリュームが2倍以上あるため、いきなり取り組んで最後まで挫折しない強い意志があれば、最初からこちらを使って英単語・熟語のボキャビルに取り組んでもよい。
不安のある方は、一旦「長文が読めるようになる中学英単語必修1200」に取り組んだ後で、こちらに挑戦すると、無理なく学習しやすい。
大半の英単語・熟語は重なっているため、より各ワードの定着率を高める上でも有効です。
テキストのレイアウトも、左側が英文、右側が訳文となっており、学習する上でとても使いやすい設計。
- 中学卒業レベルで必要な英単語・熟語 約2,300個を網羅(全424ページの大容量)
- リーディングを通じて英単語・熟語を覚える際に、とても使いやすいレイアウト設計
- 音声に関して、付属CDではなく、QRコードを読み取って音声を聞く形は好みが分かれる
高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版(税込み 1,320円)
前に紹介した「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」を学習した後で、更に理解を深めたいときに活用すべき一冊。
学習する英語のレベルが上がってくるにつれ頻出する様々な英文法(基本構文、時制、仮定法、比較、関係詞など)を、一通り網羅した形で学習できる。
基本的に「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」と同じ構成で作られているので、こちらでの学習に慣れた方は、継続して取り組みやすい。
- 高校英語で知っておくべき重要な英文法が一冊に網羅されている
- イラストやページ構成が「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」のものと同じ
- 内容が素晴らしくコンパクトにまとまっているので、あとで見返す際にも最適
参考書を使った中学英語からの勉強法

参考書・問題集を使った効果的な英語の勉強法について、ご紹介させていただきます。
英語学習の「基礎の基礎」をなすのは、英単語・熟語です。
このボキャビル作業をいかに継続してやり続けられるようになれるかが、英語を学習する際に 最初に乗り越えるべき大きなハードルとなります。
基礎英語は、英文法と英単語から
まず最初に、今後の勉強に欠かせない無料辞書アプリをインストールしましょう。
自分が、もう20年くらい使い倒しているのが、alcから提供されている「英辞郎ontheWEB」というサービス。
無料版で十分で、凡例も多く最近の言葉にも対応しているので、これを辞書代わりに使うのがおすすめ。
スマホアプリもあるので、スマホにインストールしておけば、単語帳などデバイスフリーで管理できて便利です。
英文法は、楽しく、無理なく、簡単に
英文法については「記憶するよりも理解することが大切」です。
全て内容を覚えなくても良いので、「あー、そういえばそんなことが書かれていたような…」と頭に引っかかることが重要。

気になったときに、本を取り出して再度確認すればOK!
「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」を活用し、基礎英文法について理解をしましょう。
楽しく、無理なく、簡単にやればよいです。
本書のかわいいイラストは、最初に勉強する上での敷居を下げてくれますし、楽しく出来ると思います。



とりあえず、毎日休まず3週間続けましょう。
3週間続けると、勉強が習慣として定着してきます!
どうしても時間がとりにくい日は、一日30分くらいでよいので、取り組んでみて下さい。
繰り返し言いますが、内容を理解して、覚えなくても良いです。
忘れてしまったところは後で振り返る前提で、頭の中に索引(インデックス)を付けていくイメージです。
とりあえず1サイクル通しでやってみる。
2サイクル目は、既に理解できているパートはささっと振り返る、ややこしくて理解が浅かった部分はじっくり振り返るなど濃淡を付けながら学習してください。
恐らく2サイクル目は、1サイクル目よりもかなり早く進めることができます。
英単語は、単語リストではなく、リーディングを反復することで覚えよう
「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」を使った英文法の勉強で 1周目を終えたあたりからは、「長文が読めるようになる中学英単語必修1200」を使って、中学英語で必須となる英単語を学習していきましょう。
こちらは、理解することも大切ですが、「記憶する」ことに より重点を置いて勉強していきます。
単語リストを使って英単語を覚えても、人間の優れた忘却能力で、時間と共に、気持ち良いくらい忘れていきます。
私は8年以上前からの習慣で、これまで自分が蓄積した合計6,000個を超える英単語・熟語リストから、毎週月曜日にローリングで600個ずつ、1時間くらいかけてボキャビルを続けています。
1週間で600個ずつなので、6,000個の英単語・熟語リストを1サイクルし、また同じ単語のボキャビルをするのが大体2~3か月後になるのですが、それだけ時間が空くと、毎回1発で思い出せない単語が、平均で600個中、100個くらい出てきます。
ただ、この際にいつもNGとなる記憶定着力の悪い単語と、ほとんどそうならない記憶定着率の良い単語が、大体いつも同じ感じで分かれていることに気づきました。
それぞれのグループの違いは、下記のようなものでした。
- 記憶定着率が良いグループ
-
最初リーディングで出てきた単語を抜き出し、英単語・熟語リストに記載したもので、そのリーディングの内容については、過去しっかり読み込んでいるもの
- 記憶定着率が悪いグループ
-
それ以外の英単語、熟語(例: いきなり単語リストから覚え始めたものなど)
英単語・熟語は、単語リストで覚えてもほとんど忘れるのです。
逆に、英単語・熟語が載ったリーディング文書を何度も読んで意味を咀嚼し、たまに音声で聞いて意味に変換する作業をもって、学習者の頭の中に定着して入っていくということです。
「長文が読めるようになる中学英単語必修1200」は、まさにそれを実践するための参考書です。
初心者が挫折しにくいように、あえて必須単語1,200個に絞り込み、199ページというコンパクトな形にしてあることがおすすめする理由です。
中にある単語リストの部分は、長文の意味をとる際に振り返る程度で、集中するのはリーディング用長文の方です。
英文を読めば、日本語の意味が頭に自然と入ってくるまで、何度も読み込んでください。
また、読めるようになった後で、たまに音声で聞き流し、単語の正しい発音を知るとともに、聞きながら文ごとに書かれている要点が頭に浮かぶようになれば、一旦OKです。
繰り返し、繰り返し、こちらは何度も何度も読んで、聞いてください。
3~4回繰り返した後は、少し間隔をあけて、1か月や3か月後に1度、通しで読んだり、音声を聞き流したりすることで、定着率は格段に上がります。
次のステップと進めそうなら、もう一ランク高い教材で頑張ってみよう
最初にご紹介した2冊の参考書が簡単すぎた、もしくは 大体マスターできたという方は、次の2冊をやっていきましょう。
- 【英単語】速読英単語 中学版 改訂版(税込み 1,430円)
- 【英文法】高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版(税込み 1,320円)
それぞれのやり方は、最初の2冊と同じで問題ないですが、特に速読英単語の方は、英単語・熟語数も約2,300語と倍増していますし、ページ数も424ページの大作ですので、ある程度英語の勉強が習慣化され、ペースをつかんでから取り組むのがよいです。
ここまで勉強が進んできたら、いよいよ自分の英語力を試験で測りながら、苦手克服に繋げていきましょう!
【気分転換も兼ねて】 英語を楽しもう!
必須ではありませんが、このレベルまで到達したら、こちらの記事も参考にしてみてください。


ここで紹介している TED Talks など、英語の勉強というよりも、息抜きも兼ねて英語を楽しむ感じで、たまに視聴してみるのもよいですよ。
英文法と英単語が一通り勉強できたら、英検でレベルを確認しよう
中学生で習う英文法と英単語をある程度マスターしたら、いよいよ次のステップ。
自分の英語力を測るうえで、色々な英語試験がありますが、まずは「英検」に挑戦しましょう!
おすすめは英検3級(中学卒業レベル)か、準2級(高校中級レベル)です。
英語試験として有名な「TOEIC」などもありますが、TOEICは英検2級に合格した後で挑戦しても遅くはないですね。
英検は基本的に年3回受験のチャンスがありますし、読む、聞く、書く、話す の4技能全てが鍛えられるバランスの良い英語試験です。
英検の受験料については、これまでずっと価格据え置きで非常にリーズナブルな価格で受けられたのですが、2021年の価格改定で大幅に値上げされました。
その後、さすがに値上げしすぎだとの声が出たのか、2022年では再度見直し、値下げされています。
英検受験に対する詳細や、TOEIC、TOEFLなどほかの英語試験との比較も、こちらの記事に掲載しておりますので、あわせてお読みください。


また、どうしてもTOEICから挑戦したいという方は、こちらを参考にしてください。


英語が「得意」と言えるレベルへ
ここまで自分の力で英語力を高めてこられたら、もはや英語が苦手や初心者レベルにはおらず、英語中級者に近づいてきていると思います。
例えば、英検2級に合格できる力があれば、TOEICスコアは517点程度に相当するというデータがあります。
この段階からは、ビジネスでの英語活用をやっていきたい、TOEIC 600~700点の壁を越えたいなど、さらに高い目標を目指し、いわゆる「英語が得意な人」に向けた道が開けていきます。
ここからは、参考書を使った自習だけでは厳しくなってくるかもしれません。
必要に応じて 英会話スクールなど外部のサービスも活用しながら、効率的に能力アップをしていきましょう。


高価格帯から低価格帯まで、コーチングスクール18社を徹底比較していますので、英語コーチングに興味のある方はこちらも参考にしてください。


英語ペラペラっていうのは、実はあいまい
私が英語に興味を持ったきっかけは「さんまのからくりテレビ」という番組の1コーナーである「ファニエストイングリッシュ」を観ていて、「もし自分が偶然街頭インタビューを受けたときに、英語がペラペラに喋られたらカッコいいだろーなー」という幼いころのあこがれからです。


この時には全く分かりませんでしたが、社会人になってから英語というものに真剣に向き合い、かなり英語を勉強した後で感じるのは、「実は、英語がペラペラ」っていうのはものすごいブレがあるということです。
たまに、「芸能人が外国でインタビューを受けた際に、ペラペラな英語で話しました」といったニュースがワイドショーで取り上げられ「○○さん、英語もできてかっこいいですね~」 とコメンテーターが話しているのを観たことがあります。
ここでの、「日常会話程度のやり取りをきちんと英語で応対できた」というのは、確かに全く話せない人からみると「ペラペラ話せてすごい!」という風に映るのだと思います。
一方で、同じペラペラでも、その場面に応じた適切な言い回しや、微妙なニュアンスの違いを考慮したベストな単語をチョイスし、相当高いレベルで話す日本人のペラペラは全く別物であり、この領域に行くまではものすごい努力があったのだろうと感心させられます。
記憶に残っているのは、小池百合子 都知事のスピーチと河野太郎 衆議院議員のインタビューです。
お二人の英語力の高さに、感服いたしました。
長期の海外語学留学あるあるなのですが、留学した最初の1か月は何もかもが新鮮で、英語でのやり取りも分からないことだらけ。
懸命に学び、なんとか現地で生活ができるように努力し、英語力も急成長します。
ですが、3か月過ぎたあたりで、一通り新しい環境にも慣れ、日常生活で必要なことも英語で伝えることができるようになると、そこで英語の成長が停止してしまいます。
その学生は、海外での日常生活には困らない最低限の英語力はあるのですが、各場面で使える一通りの伝え方を覚えただけなので、バリエーションがなく、会話にも深みが出てきません。
一つの例を挙げます。
「良い」という英単語で、みなさんは何を思いつきますか?



うーん、
Good とかですかねぇ…
一番浮かびやすいのは 「Good」 もしくは、「Nice」 ですかね。
でも、英語で「良い」という表現には、「Excellent」や「Cool」、「Neat」、「Superb」、「Brilliant」、「Wonderful」、「Terrific」など さまざまなものが存在します。
それぞれの単語は全て「Good」 や「Very Good」 に試験では置換可能かもしれませんが、これらはそれぞれの単語が持つニュアンスに微妙な違いがあります。
「Neat」だったら「しっかりやっているね!」みたいなニュアンスを感じますし、「Brilliant」なら輝かしいイメージですね。「Terrific」とかなら、「もう、やばい!」くらいの強烈な印象です。
中学英語で最初にならうあいさつの
「How are you?」
「I’m fine, thank you!」
ですが、昔アメリカで同僚に何気なく「Good morning. How are you?」とあいさつしたら、そのアメリカ人がめちゃめちゃ陽気に Spectacular~! (スペクタァキュラ~)と返してきたのが印象深かったです。
このように、使う言葉や表現に広がりを持てるようになると、英語がさらに楽しくなりますよ。
まとめ
ここまで、大人になってから中学英語からのやり直す際の おすすめ参考書・問題集 と、その勉強の仕方について解説してきました。
おすすめの書籍としては、下記の4冊。
英文法は覚えなくていいので、理解だけ。楽しく、無理なく、簡単に!
そして、英単語はリーディングを通じて覚えていくことで、定着率を高めるようにしていきましょう。
英文法と英単語がある程度マスターできたら、いよいよ英検を活用し、中級から上級にステップアップ。
この頃になれば、学習することが増えて大変な反面、英語を学ぶことがさらに楽しくなっていると思います。
この記事を最後まで閲覧いただきまして、ありがとうございました。
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