将来のキャリアも考えてTOEICに挑戦したいけど、どう手を付ければいいか悩んでいませんか?
TOEICは、社会人の英語力を測る試験として、現在日本で最もよく使われていますが、実は「英検」や「TOEFL」など他の英語試験と比べても、対策次第で最もスコアを上げやすい試験です。
ただ、一度も受験したことのない超初心者の方にしてみれば、どう対処したらよいか全く見当もつきませんよね。
本記事では、そのようなTOEIC超初心者の方に向けて、どの参考書を使いながら、どういった順序で勉強を進めていけばよいかを解説いたします。
私(かろじん: プロフィール)も、学生時代英語が苦手で、ずっと英語から逃げ続けた人生でした。
社会に出る少し前に、英語の重要性を改めて感じ、それから懸命の努力と工夫を続け、TOEICは大学3年生の最後に初めて受けた370点から、直近は935点まで得点を伸ばせています。
いろいろと遠回りや失敗、自分の英語センスのなさに絶望することも多々ありましたが、それらを粘り強く乗り越えてきた経験をもとに、ご説明します。
また、TOEICも含めた「英語学習に取り組む際のおすすめ英語資格」についても、こちらの記事で解説していますので参考にしてください。

TOEIC受験のメリットと目的について

ここでは、TOEIC受験に関する基礎知識と、スコアアップに向けた取り組み方法について解説します。
TOEICとは
TOEIC(Test of English for International Communication)とは、IIBC(The Institute for International Business Communication)によって実施されている英語検定試験です。
IIBCが提供するTOEIC Programの中には、大きく「TOEIC Tests」と初級者・中級者を対象とした「TOEIC Bridge Tests」に分かれ、それぞれに対して「Listening & Reading」と「Speaking & Writing」の2種類ずつが存在します。

この中で、TOEICとして一般的にもっとも認知されているのは「TOEIC Tests」の「Listening & Reading」であり、2021年TOEIC Program受験者の92%以上が、このTOEIC Listening & Reading(L&R)を受験しています。
ここでは一番メジャーな TOEIC L&R 試験について解説し、以降 本記事では TOEIC ≒ TOEIC L&R のことを指した形で説明させてもらいます。
TOEICの概要
特徴 | 日常生活からビジネスまで、幅広い場面でのコミュニケーション英語能力を評価 |
試験内容(時間) | 1. リスニング問題 100問(45分間) 2. リーディング問題 100問(75分間) |
テスト形式 | マークシート形式 |
結果評価 | 10~990点(5点刻みのスコアで評価) |
受験料(税込み) | 7,810円 |
2021年 受験者数 | 約212万人 |
試験日程 | 公開テストは年10回開催(開催月: 1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月) ※ 試験日と申込期限は こちら |
TOEIC受験のメリット
TOEIC受験のメリットとしては、以下の3点があります。
- 自分の英語力の客観的レベルを把握し、英語力アップに活用できる
- 企業によっては、昇格や配属時に一定のTOEICスコア取得が条件となっている
- 就職・転職時に、英語力があることを示すアピール材料となる
自分の英語力の客観的レベルを把握し、英語力アップに活用できる
TOEICでは、試験結果が 10点~990点 のスコアで評価されますので、その結果により自分が弱い部分の把握と、英語学習の結果、英語力がどのくらいアップしたのかを確認することができます。
また、全受験者の得点分布に対する自分のレベルの把握や、周りの受験者との得点比較することにより、客観的な英語力を知ることが可能です。
企業によっては、昇格や配属時に一定のTOEICスコア取得が条件となっている
例えば責任者への昇格試験を受験するにあたり、TOEICで○○点以上取得していることが条件など、会社によってTOEICのスコアが昇格や配属時の条件となっていることがあります。
大企業などでTOEICスコア○○点以上を設定していることが多く、私が以前 務めていた会社でも、
「組織責任者の昇格試験を受験する条件として、TOEICスコアで600点以上取得していること」
という定めがあり、日常業務で高い貢献をしていたとしても、TOEICスコアを未達成なら昇格候補として選出されないといったことがありました。
就職・転職時に、英語力があることを示すアピール材料となる
日本での就職や転職時には、履歴書に書く英語能力として最も参考にされるのがTOEICのスコアです。
もちろん何点でもよいわけではなく、一般的に新卒などの場合も、600点以上からはアピールポイントとして記載すれば、それなりに英語力があると判断されます。
転職の際、英語が必要な職種においては、TOEICスコアと併せて、過去の英語を使った実務経験もみられます。
よって、単にTOEICスコアだけで英語力が評価されるということはありませんが、それでも例えばTOEIC 800点以上を持っていれば、少なからず評価される要素にはなるでしょう。
TOEIC受験目的に応じた2つのアプローチ
TOEICを受験される方は、大きく2つのグループに分類されます。
- ① 英語力をしっかり高めながら、TOEICの点をあげていきたい
-
英語力を高めるために、基礎からきちんと勉強し、じっくり、遠くまで進むことを目指すグループです。
この記事は、こちらのグループの人を念頭に、どのように学習を進めたらよいかを解説しています。 - ② 将来英語は必要ないが、昇格などの為にとりあえずTOEICの点だけ上げたい
-
TOEICスコアのみを上げるために、とにかく早く進むことを優先するグループです。
こちらの方は、この後に出てくる TOEIC受験テクニックを解説したパート まで読み飛ばしていただいても、特に問題ありません。
TOEICは、他の英語試験と比較しても、テクニックで点を上げやすい試験です。
既にTOEICで800点以上のスコアを保持しているとかでなければ、慣れやテクニックを駆使することで、50~100点はわりと容易に上げることができます。
ただし、現在のスコアから200点や300点を伸ばしたいと思えば、慣れやテクニックだけでは難しく、しっかりと基礎から学習することが必要です。
先ほどの②のグループの方は、例えば「現在TOEICが520点くらいあって、昇格試験のために600点越えを何としてもこれから2か月以内に達成したい」といったケースが該当します。
現在の得点がTOEIC 370点で、目標として600点越えを目指そうとするならば、まず①のグループの方同様に、ある程度基礎英語力を高めていく必要があります。
TOEIC得点アップと必要となる学習時間の目安(単位: 時間)
これは、オックスフォード大学出版局が出している表で、現在のスコアから目標スコアを達成するまでに必要な勉強時間を示しています。
TOEICは 問題傾向をつかみ、テクニックを付ければ、同じ英語力でも約50~100点はスコアを伸ばすことができますが、そのテクニックによる伸びしろを除いた基礎英語力を伸ばすのに必要な勉強時間という観点で、参考にしてみて下さい。

TOEICを100点上げる実力をつけようと思うと、200~300時間程度の勉強が必要だよ。
現在 スコア | 目標スコア 350 | 目標スコア 450 | 目標スコア 550 | 目標スコア 650 | 目標スコア 750 | 目標スコア 850 | 目標スコア 950 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
250 | 200 | 425 | 700 | 950 | 1150 | 1450 | 1750 |
350 | 225 | 450 | 700 | 950 | 1225 | 1550 | |
450 | 225 | 450 | 700 | 975 | 1300 | ||
550 | 225 | 450 | 725 | 1050 | |||
650 | 225 | 500 | 825 | ||||
750 | 275 | 600 | |||||
850 | 325 |
超初心者が挫折しないTOEIC勉強のコツ


超初心者が挫折しないTOEIC勉強のコツは、ズバリ下記の3ポイントです。
- 英語を毎日勉強する習慣を身につける
- 基礎からしっかり勉強し、いきなり難しい問題に挑戦しない
- 試験日の最短2か月前からは、TOEICに特化した勉強をする
英語を毎日勉強する習慣を身につける
基礎英語力を伸ばしていくためには、相当長い時間を持久走のように走り続けることが必要です。
その為には、毎日欠かさず英語の勉強を続けて習慣化し、英語の勉強が苦痛でない状態を作り上げることが重要です。
身の回りのテレビやゲーム、YouTubeなどは、電源コードを抜いて束ねておいたり、スマホからアプリを消してしまっておいたりと、英語の勉強を妨害する要素は、いざ始める際に少しストレスがかかる状態にしておくことがおすすめです。
英語の勉強を続けることは、最初の1週間はなかなかつらいと思いますが、意識して3週間続けてみましょう。
最初感じていたやり始めのつらい気持ちが和らぎ、毎日の歯磨きのようにだんだんと自然に行うことができるようになってきます。
英語の勉強を少しでもやらないと、何か気持ちが落ち着かないという心境になれば、習慣化ができてきている状態です。
基礎からしっかり勉強し、いきなり難しい問題に挑戦しない
そもそも、英文法も英単語もほとんどわからない段階で、いきなり英語中級者や上級者が受けるTOEIC模擬試験に繰り返し取り組んだところで、書かれている内容もちんぷんかんぷんですし、苦労して英単語を一気に覚えても、あっという間に忘れてしまい、ほとんど身についていきません。
何よりも、全く分からない問題を一生懸命勉強することは精神的にも苦痛ですし、英語学習のような持久走においては、学習者のモチベーションを大きくむしばむ原因となります。
ある程度わかっていることが6~7割、新しいことが3~4割含まれているレベルの問題に取り組むことが、結局勉強していて一番楽しいですし、中長期の視点では最も学習効率が良くなります。
現在の自分の英語力を把握し、無理のないレベルで、一段一段 着実に進めていきましょう!
試験日の最短2か月前からは、TOEICに特化した勉強をする
基礎英語力を強化した後は、約2か月前からTOEICに特化した学習をすることで、スコアの底上げができます。
TOEICは120分ノンストップで走り切る試験であり、リスニング問題も一度しか流れません。
120分間の立ち振る舞いを身体にしっかり覚えさせ、矢継ぎ早に出題される問題のどこで息継ぎをして、どう最終問題まで走り切ればいいのかを体得することで、実際の英語力+50~100点程度のスコアアップを狙いましょう。
これらのテクニックについては、この記事の後半 で解説していきます。
超初心者がTOEICに取り組む際に、まずやるべき5ステップ


超初心者の方がTOEICに取り組む際は、まず自分の英語力を的確に把握した上で、TOEICの問題形式を理解し、現実的な目標を設定しながら進めていくのが有効です。
具体的には、こちらの5つのステップに沿って、取り組んでいきましょう!



まずは下記のTOEIC点数換算表を参考に、
現在の自分のレベルを把握しよう!
TOEICスコア | 英検 級 | 英語レベル |
---|---|---|
950 | 1級 | 大学上級レベル |
850 | – | – |
750 | 準1級 | 大学中級レベル |
650 | – | – |
550 | 2級 | 高校卒業レベル |
450 | 準2級 | 高校中級レベル |
350 | – | – |
250 | 3級 | 中学卒業レベル |
もし、正確に数値で測りたいということであれば、一度TOEIC過去問題を解いてみましょう。
問題形式に慣れてくれば、+50~100点くらいは伸びますが、一旦は模擬試験の結果が 底上げしない状態での 現在の英語実力値という感じで分かります。
TOEICは、120分間で合計200問の問題を解いていくマークシート形式の試験で、前半がリスニング(45分)、後半がリーディング(75分)で構成されます。
リスニングはPART1~PART4に分かれ合計100問、リーディングはPART5~PART7で、こちらも合計100問です。
それぞれのパート別の詳細な対策については、この記事の後半 で解説していますが、まずは大きな視点でTOEIC試験全体の構成と問題形式を把握してください。
現在の自分の英語力と、TOEICの概略を理解出来たら、TOEIC受験の先に自分が目指す姿(長期的な目的)と、具体的なTOEIC目標スコアを決めましょう。
現在が300点代で400点を目指すのと、600点以上を目指すのでは必要な準備時間も変わってきます。
TOEIC点数アップと必要となる勉強時間の目安 を参考にしながら、テクニックで底上げできる+50~100点で射程圏内に入るためには、どの程度の英語勉強時間が求められるのかを把握しましょう。
TOEIC公開模試は年10回実施され、試験の約2か月~1.5か月前に申込受付があります。(詳しくは、こちら)
まず基礎英語力を高めるための勉強を行い、試験2か月前からはTOEICに特化した学習をするとして、いつの受験を目指すのかを設定してください。
例えば、TOEIC試験を5か月後に設定し、最初の3か月を基礎英語力強化、残りの2か月をTOEIC試験対策とするといったハイレベルの計画を立てましょう。
基礎英語力強化期間の設定では、平日と週末で どの程度学習時間がとれるのかを想定し、まず1週間の目標勉強時間を割り出します。
その時間で、目標英語力に達するまでに必要な勉強時間を除算すれば、何週間が必要なのか計算できます。
一旦は、それくらいの粒度でハイレベルの学習計画を立てていけば大丈夫です。
超初心者が取り組むべきTOEIC学習計画の立て方と試験準備


ここでは、基礎英語力の強化からTOEICパート別対策、試験当日のコンディションの整え方まで、私自身のこれまでの受験経験をもとに、丁寧に解説していきます。
【基礎英語力強化】まずは、英文法と英単語から
TOEICは主に社会人が受けることを意識し作られていることもあり、問題のレベルは英検2級(高校卒業レベル)以上ある方でないと、かなり難しいと感じると思います。
よって、そのレベルに達していない場合は、まずTOEICの前に英検3級や準2級から挑戦されることを個人的にはおすすめしています。
英検に関して興味のある方は、こちらの記事も参考にしてください。


そして、TOEICと英検どちらを勉強する場合でも、基本的な英文法と英単語の理解は不可欠になります。
英文法は、こちらの二つの参考書を購入し、一つひとつ記憶しなくてもよいので理解するようにしましょう。
英単語の語彙力アップにおいては、TOEIC用には こちらの本で勉強するのが最も効率的です。
ただし、単語帳を使ったボキャビルは、記憶定着率がどうしても低くなります。
多少時間が掛かっても、高い定着率で英単語力を高めたい場合は、こちらの記事で紹介している「リーディングを通じて英単語を覚える」シリーズの参考書に取り組まれるのをおすすめします。
こちらの記事で、超初心者からでも英語力をアップできるおすすめ教材を解説していますので、参考にしてください。


【基礎英語力強化】英文法・英単語の学習計画の立て方
社会人、大学生どちらの場合においても、1週間のスケジュールが学習サイクルの基本となります。
そして、英単語のボキャビルのみを集中してやることは精神的にもつらいので、英文法と英単語の勉強を両方とも織り交ぜながら、1週間のスケジュールを立てましょう。
例えば、平日は 朝の通勤・通学時間を英単語ボキャビルに、夜の1.5時間を英文法のテキストを一日2パートやる、といった感じです。
特に英単語のボキャビルは、試験直前までずっとやり続けることになりますので、無理なく毎日取り組める形や分量でやっていくのが良いと思います。
そして、週末は過去1週間でできなかった部分の勉強補完と、過去1週間・1か月の学習内容の復習にあてましょう。
【TOEIC問題演習】試験2か月前からTOEIC問題演習を実施
いよいよ試験日の2か月前からは、TOEIC問題に特化した試験対策に取り組みましょう。
英単語ボキャビルは、英語を勉強するメインではない時間帯で、引き続きコツコツとしていく必要がありますが、一旦英文法は分からなくなった時に参考書で調べるくらいで、メインの勉強時間はTOEIC問題演習に集中してください。
おすすめの参考書・問題集はこちらになります。
全部で7つあるTOEICの問題パートそれぞれの問題構成と対策をきちんと把握し、特にリーディングパートは時間配分を意識して取り組むようにしてください。
【TOEIC問題演習】リスニングパート(45分)対策
リスニングは、PART1~PART4までの4つのパートで構成され、45分間で100問の問題を解く必要があります。
リスニングパート | 問題構成 | 問題数 |
---|---|---|
PART1 | 写真描写問題 | 6問 |
PART2 | 応答問題 | 25問 |
PART3 | 会話問題 | 39問 |
PART4 | 説明文問題 | 30問 |
リスニングパートを受けている印象は、まさに45分ずっと走り続ける持久走のような感じで、試験問題がとめどなく出題されますので、演習問題を通して試験の流れを身体に浸み込ませましょう。
唯一息継ぎができるのが、PARTが切り替わった際の問題形式の説明が流れる瞬間です。
問題形式は試験前の演習問題ですでに十分理解しているはずですので、内容を聞くよりも自分の呼吸を整える時間として利用してください。
理想の解き方は、各問題の音声が流れる前に その設問には目を通し内容を理解、音声が流れた後すぐに解答をマークして、次の問題の設問を読み、次の音声に備えることの繰り返しです。
音声は一度しか流されず、聞き逃してしまうと後戻りはできないので、潔くその問題は適当に解答し、次の問題に進んでいく割り切りも大切です。
【TOEIC問題演習】リスニングパートの勉強方法
リスニングの文章に使われている英文法や英単語が理解できていなければ、当然ながらどうやったって意味をとることはできないので、まずその部分をきちんと頭に入れるのが大前提です。
リスニングスクリプトを読めば意味はとれるのに、いざネイティブスピードで音声で聞くと意味がとれないという場合に一番おすすめな方法は、そのスクリプトを発音して読み上げること です。
英語を発声して覚える際に有効とされている方法が2つあります。
- シャドーイング
-
ネイティブが話す音声を流しながら、そのスクリプトを少しだけ遅れて一緒に読み上げる英語学習方法。
少しだけ遅らすというのは、0.2秒くらいすらずイメージ。
リンキングといわれる単語同士をつなげた発音の仕方や、音声の強弱など、可能な限り再現しましょう。 - オーバーラッピング
-
シャドーイングが少しずらすのに対し、完全にネイティブが話す音声に被せて読み上げる英語学習方法。
最初はシャドーイングから始めるべきだと思いますが、慣れてくればオーバーラッピングにも取り組むことで、きちんと自分がネイティブの発声を再現できているかどうかを確認してください。
自分自身で発声できるようになると、ネイティブの発音を聞き取る力が向上し、今までは単語ごとに理解していたものが、複数単語から成るパーツごとや、文章全体で意味をとれるようになってきます。
一日2回など回数を決めて、学習計画の中に組み込んでみましょう。
【TOEIC問題演習】リーディングパート(75分)対策
リーディングは、PART5~PART7までの3つのパートで構成され、75分間で100問の問題を解く必要があります。
75分の時間配分は受験者が自由に決められるようになっていますが、一番時間が掛かるPART7に大半の時間を割くようにし、それ以外のパート(PART5、6)はスピーディーに仕上げることが重要です。
リーディングパート | 問題構成 | 問題数 | 推奨時間配分 |
---|---|---|---|
PART5 | 短文穴埋め問題 | 30問 | 10分 |
PART6 | 長文穴埋め問題 | 16問 | 10分 |
PART7 | 単一文章問題 複数文章問題 | 29問 25問 | 55分 |
PART5は、英検の語彙問題とも似ていますが、ほとんどが文法問題です。
もっとも多いのは、品詞の異なる4つの選択肢から最適なものを選ぶ問題ですので英文法の理解が必要になります。
また「Not only ~, but also ~」といった定型表現を覚えておくと、点数アップにつながります。
最大の特徴として、10分で30問と1問あたり20秒で解いていくことになりますので、問題文の意味を慎重に理解して解答するというより、選択肢から問題の形式を即座につかみ、8割確度くらいでスピーディーに解答をマークしていくイメージです。
PART6は長文穴埋め問題で、英文自体はそれほど長くないのですが、とにかく時間があまりなく1分で1~2問解いていかないと間に合いません。
こちらも、長文全体を詳細に読む時間はないので、速読に近い形で読み解いていく感じになります。
- 選択肢で適切な品詞を聞かれている設問は、対象の文章を読んでみて、文法的に適切なものを選ぶ
- 選択肢で様々な接続詞が並んでいる設問は、前後の文章を読んで、論調がどう変わっているかより判断
といった形です。
いずれにせよ、全ての意味をとる必要はないので、素早い回答を前提にスキャンしながら読んでいくやり方を、問題演習を通して覚えましょう。
PART7は、Eメールや社内メモ、商品価格表など、英語で書かれたさまざまな形式の情報が出てきますので、それぞれのパターンに慣れていく必要があります。
うまくPART5・6の時間配分ができて、たっぷり55分時間を取れたとしても、それほど時間的余裕はありません。
特に一番最後に出てくる複数文章問題は、それぞれの長文内容やデータを確認してポイントを理解し解答するのに、どうしてもある程度の時間が掛かってしまうので、こちらも問題演習での経験の積み重ねが重要になってきます。
【TOEIC問題演習】リーディングパートの勉強方法
リスニング同様に、英文法と英単語の理解があることが前提となります。
具体的な勉強方法としては、問題演習を通じて、問題パターンに慣れながら解答する流れを体得していくしかないのですが、他の英語試験と比べてもTOEICリーディングで大変なのは、とにかく時間がない点です。
実は、英検の上級試験やTOEFLリーディングの方が、英単語や文章の長さなどTOEICリーディングと比べてはるかに難しいのですが、じっくり内容を読み込む時間は、ある程度用意されています。
TOEICのリーディングで求められているのは、様々な形式の英語文章から適切な情報を短時間でつかむ力です。
過去問題集などの演習問題をされる際は、ぜひ 解答時間を意識しながら取り組むことを絶対に怠らないように してください。
【本番コンディション調整】試験1週間前から実施
TOEIC本番で実力を最大限に発揮できるコンディション調整を、試験1週間前をめどに始めていきましょう。
実際に私が取り組んでいたことは、下記のようなものがあります。
- 生活サイクルを朝型に戻し、試験予定の時間帯に一番冴えている状態にする
- 睡眠時間を毎日6時間以上(できれば7時間は)確保するようにする
- 3日前から水分摂取を制限し、前日はほどんど飲まないことで、試験のとき尿意を催さないようにする
試験日1週間前からTOEIC本番がスタートする気持ちでのぞみ、試験前日は翌日試験があることを一旦意図的に忘れることでぐっすり休んで、試験日には周りの緊張する方を眺めて逆にリラックスして取り組むとよいですね。
たかがTOEIC、されどTOEIC。
アスリートがオリンピックにのぞむような姿勢できちんと向き合うことで、試験後に後悔しない確率が劇的に上がると思いますので、ぜひこのコンディション調整の面も妥協せず、真剣に取り組んでみて下さい。
TOEIC受験の為のおすすめ参考書・問題集5選


ここでは、TOEIC受験ということに焦点を当て、おすすめできる参考書・問題集を紹介します。
基礎英文法のおすすめ参考書・問題集
1. 中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版(税込み 2,530円)
色々なブログでも必ず紹介されている、中学3年間で知っておくべき英文法が一冊に網羅されている定番の一冊。
本の帯にもあるように、まさに一から英語をやり直したいと感じている大人に向けて書かれた本です!
2022年3月に改訂版が発売されたばかり。
単行本が2,530円と英語の参考書にしては高い方ですが、CD2枚も付属で、価格以上に価値はあること確実です。
2. 高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版(税込み 1,320円)
「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」を学習した後で、更に理解を深めたいときに活用すべき一冊。
学習する英語のレベルが上がってくるにつれ頻出する様々な英文法(基本構文、時制、仮定法、比較、関係詞など)を、一通り網羅した形で学習できる。
基本的に「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」と同じ構成で作られているので、こちらでの学習に慣れた方は、継続して取り組みやすい。
基礎英単語のおすすめ参考書・問題集
3. TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ(税込み 979円)


本当にTOEICに出てくる単語だけで構成されているといっても良いほど、TOEIC対策に特化した単語帳。
TOEIC目標スコアごとにTOEIC必須1000単語が整理され、単語の音声もスマホから無料で再生可能。
TOEIC問題演習のおすすめ参考書・問題集
4. アルク はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略(税込み 1,980円)


TOEICのスコアアップに必要な全て(パート別攻略+実力UP勉強法+完全模試)が入った「一冊完結」型の総合対策本。
TOEIC新形式にも対応し、PART1~PART7まであるTOEICの問題パートごとに、具体的な27のテクニックを解説してくれています。
リスニングセクション練習問題、頻出語彙・表現などを収録した付属CDと、頻出語彙・表現セレクションや読解トレーニングなどの豪華無料ダウンロード特典あり。
5. 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8(税込み 3,300円)


ETSが本番のテストと同じプロセスで作った問題が収録されており、試験本番1~2か月前に集中して取り組むことで、実践力を養うことができる。
付属CDのリスニング音声の他、特典としてリーディングセクションの一部の音声をスマートフォンやPCにダウンロードすることが可能。
TOEIC受験のためのスクール・アプリ紹介


スタディサプリTOEICコース


TOEIC専用コースのあるスクール
TOEICコース有無も含めて、人気の英語コーチングスクールについて、こちらで解説しています。
高価格帯から低価格帯まで、コーチングスクール18社を徹底比較していますので、英語コーチングに興味のある方はこちらも参考にしてください。


まとめ


ここまで、TOEIC超初心者に向けたTOEIC基礎知識と、勉強の進め方や参考書・問題集などを紹介してきました。
日本の企業がTOEICを社員の英語力評価に積極的に活用するようになり、今やTOEICは 多くの大学生や社会人にとって、乗り越えるべき試練の一つになっているのかもしれません。
一方で、TOEICは万能な英語試験ではなく、事実「TOEICで900点は取れるけど、外国人と英語で話すことができない」といった人も存在します。
ただし、そういったケースでも、TOEICの学習を通じて体得した語彙力や英文法の理解、リーディングやリスニングの力は、間違いなく その先さらに英語力を伸ばす上での土台になってくれるので、TOEICスコアアップに向けた努力は決して無駄にはなりません。
TOEIC試験を上手に活用して、英語力アップにつなげていきましょう!
この記事を最後まで閲覧いただきまして、ありがとうございました。
本記事に関して「表現が分かりにくかった」、「質問がある」などの場合は、お問い合わせより連絡をいただけましたら、わかる範囲でご回答させていただきます。