
大人になってから英語を勉強しようと思うけど、
おすすめの資格を知りたい!
この記事はそのような方に向けて、日本で受けられる英語資格の中からおすすめのものをご紹介していきます。
こんにちは、かろじん(➡プロフィール)です。
日本で受けられる英語資格はいろいろありますが、実は代表的なものは 英検 と TOEIC の2つしかありません。
これらの資格を持っている(高いスコアをとっている)と、就職や転職の際にも有利になりますし、自分の英語力を測りながら効果的なレベルアップしていくことが可能になります。
本記事では、これら2つの代表的な英語資格に加え、海外大学入学の際に必要となる TOEFL、IELTSの4つの資格について、その概要と特徴をご紹介いたします。
私自身 現在 英検1級に合格していますし、TOEIC・TOEFLも それぞれ自分で過去10回程度は受験しています。
IELTSについてだけは実際の受験経験がないので、あくまで一般的な情報になっていることをご了承ください。
結論としては、英語力を伸ばすための資格として考えるのであれば、2トップの 英検 か TOEIC のどちらかになります。
その他の様々な英語資格については、海外の大学入試に必要だからとか、国連職員で働きたいとか、具体的な目的のために受験する英語資格ととらえて問題ありません。
英検 | 年間約370万人が志願
英検(正式名称: 実用英語技能検定)とは、公益財団法人 日本英語検定協会が主催し、文部科学省の後援のもと実施されている英語試験です。
日本における英語試験としての知名度、受験者数(志願者数)は断トツでトップ。
読む、聞く、書く、話す の英語4技能全てが評価対象で、5級 ~ 1級までの7つのレベルから選択し受験します。
年3回開催されており、級別の違いは下記のようになります。
英検の試験概要(級別の違い)
英検の受験級 | 奨励学力目安 | 出題形式 | 受験料 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
5級 | 中学初級 | リーディング(25問、25分) リスニング(25問、20分) 会話テスト(4問、3分) | 3,900円 | 82.0% |
4級 | 中学中級 | リーディング(35問、35分) リスニング(30問、30分) 会話テスト(5問、4分) | 4,500円 | 69.4% |
3級 | 中学卒業 | リーディング&ライティング(31問、50分) リスニング(30問、25分) 二次面談(6問、5分) | 6,400円 | 54.6% |
準2級 | 高校中級 | リーディング&ライティング(38問、75分) リスニング(30問、25分) 二次面談(6問、6分) | 7,900円 | 35.7% |
2級 | 高校卒業 | リーディング&ライティング(39問、85分) リスニング(30問、25分) 二次面談(5問、7分) | 8,400円 | 25.1% |
準1級 | 大学中級 | リーディング&ライティング(42問、90分) リスニング(29問、30分) 二次面談(5問、8分) | 9,800円 | 15.3% |
1級 | 大学上級 | リーディング&ライティング(42問、100分) リスニング(27問、35分) 二次面談(1問、10分) | 11,800円 | 10.4% |
出典1: https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/
出典2: https://jqos.jp/minkan/jitsuyoeigoginokentei
※ 合格率については、2014年度のものを掲載
英検おすすめ度: ★★★★★
- 日本においては英語試験として抜群の知名度で、自分の英語レベルを示すことができる
- 読む、聞く、書く、話すの英語4技能を、バランスよく伸ばすことができる
- 日本では年3回受験機会があり、他の試験と比べて比較的安価に受験することができる
- 英検対策の参考書がたくさん出版されており、受験に向けた勉強がしやすい
英検受験に関する基礎知識と、私の生々しい受験体験記を記事にしていますので、興味のある方はこちらも参考にしてみて下さい。




TOEIC | 年間約210万人が受験
TOEIC(Test of English for International Communication)とは、IIBC(The Institute for International Business Communication)によって実施されている英語検定試験です。
IIBCが提供するTOEIC Programの中には、大きく「TOEIC Tests」と初級者・中級者を対象とした「TOEIC Bridge Tests」に分かれ、それぞれに対して「Listening & Reading」と「Speaking & Writing」の2種類ずつが存在します。


この中で、TOEICとして一般的にもっとも認知されているのは「TOEIC Tests」の「Listening & Reading」であり、2021年TOEIC Program受験者の92%以上が、このTOEIC Listening & Reading(L&R)を受験しています。
ここでは一番メジャーな TOEIC L&R 試験について解説し、以降 本記事では TOEIC ≒ TOEIC L&R のことを指した形で説明しています。
TOEICの試験概要
特徴 | 日常生活からビジネスまで、幅広い場面でのコミュニケーション英語能力を評価 |
試験内容(時間) | 1. リスニング問題 100問(45分間) 2. リーディング問題 100問(75分間) |
テスト形式 | マークシート形式 |
結果評価 | 10~990点(5点刻みのスコアで評価) |
受験料(税込み) | 7,810円 |
2021年 受験者数 | 約212万人 |
試験日程 | 公開テストは年10回開催(開催月: 1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月) ※ 試験日と申込は こちら |
TOEICおすすめ度: ★★★★☆
- 日本においては、英検と並び英語試験として抜群の知名度で、自分の英語レベルの証明になる
- 就職や転職の際に、TOEICスコアを英語力評価のポイントにしている日本企業が多い
- (TOEIC L&Rの場合)読む・聞くの英語2技能のみが評価対象なので、試験対策を立てやすい
- 日本ではたくさんの受験機会があり、他の試験と比べて比較的安価に受験できる
- TOEIC対策の参考書もたくさん出版されており、受験に向けた勉強がしやすい
TOEICに15年以上挑戦し続け、370点⇒935点までアップさせた私の経験・知見を記事にしていますので、TOEIC受験に興味のある方は、こちらも参考にしてください。


TOEFL | 年間約8万人が受験
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)とは、アメリカの非営利教育団体「ETS」が開発した、英語を母語としない人々を対象にした国際基準の英語資格。
海外留学の際や、大学院などへ編入する際の基準として採用されているケースが多く、日本ではTOEFLのなかでも「TOEFL iBT(Internet-based Test)」と呼ばれる試験のみを受験することができる。
受験者が一人ひとりヘッドセットをつけた形でパソコンに向かって受験し、手元のメモとして白紙と鉛筆を使う以外は、ライティングも含めて全てパソコン上で解答。
英語4技能である 読む、聞く、書く、話す を全て評価していきますので、3~4時間に渡る長時間の試験となります。
TOEFLの試験概要
特徴 | 海外での大学生活や、アカデミックな内容が中心に出題され、 海外留学した際に 大学の授業を英語で受けられる力があるかを評価 |
試験内容(時間) | リーディング: 3~4題(54分~72分) リスニング: 講義問題 3~4題 & 会話問題 2~3題(41分~57分) スピーキング: 4題(17分) ライティング: 2題(50分) |
テスト形式 | ヘッドセットをつけ、パソコン上で解答 ※ ライティングもタイピングして解答する |
結果評価 | 4セクション各30点、合計120点満点で評価 |
受験料(税込み) | US$245 |
試験日程 | 全国各地のテストセンターで、毎年30~40回程度開催 ※ 試験日と申込は こちら |



試験時間に幅があるのは、リーディングまたはリスニングのいずれかに、出題者側のテスト品質確認用に 採点されないダミー問題を差し込まれる 関係で、それが含まれたセクションは試験時間が長くなるためだよ。
TOEFLおすすめ度: ★★☆☆☆
- アメリカを中心に海外では知名度が高く、海外留学の際の代表的英語試験の一つである
- 北米の大学/大学院に入学する際に、TOEFLスコアが条件となることが多い
- 日本でも全国にある受験会場で受験が可能(ただし、受験料は高額である)
- 英検やTOEICほどではないものの、さまざまな参考書を日本でも購入できる
- TOEFL対策コースを持つ英語スクールもあるので、勉強する上での選択肢がある
IELTS | 年間約3万人が受験
IELTS(アイエルツ)とは、イギリスの公的国際交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」と IDP:IELTSオーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同運営する、海外留学・海外移住に必要な英語力を測る英語資格です。
日本では、公益財団法人日本英語検定協会が主催をしています。
IELTSは試験内容がイギリス英語を基本としており、アメリカで開発されたTOEFLと比べ、イギリス、オーストラリア、カナダの大学や機関、ビザ取得で認定されることが多いのが特徴です。
ヨーロッパでの認知度が高いですが、北米の大学でもIELTSスコアを入学条件にしている場合も多く、グローバルに通用する英語資格です。
大学・大学院入学用の「アカデミック・モジュール」と、移住申請用の「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2つの種類が存在し、リーディングとリスニングの問題は、それぞれの目的に応じた内容が出題されます。
IELTSの試験概要
特徴 | 海外留学や移住の際に求められる英語力があるかどうかを評価 |
試験内容(時間) | 筆記試験: リーディング・ライティング・リスニング(160分) 面接試験: スピーキング(11~14分) |
テスト形式 | ペーパー形式 と コンピュータ形式 から選択 |
結果評価 | 1.0~9.0(0.5点刻みのスコアで評価) |
受験料(税込み) | 25,380円 |
試験日程 | ペーパー形式: 全国15都道府県で、毎月4日間程度開催 コンピュータ形式: 東京・大阪で、毎月10日間程度開催 ※ 試験日と申込は こちら |
IELTSおすすめ度: ★★☆☆☆
- ヨーロッパを中心に海外では知名度が高く、代表的英語試験の一つである
- 欧米の大学/大学院に入学する際や、ビザ取得の条件としてIELTSスコアが求められることがある
- 日本でも全国にある受験会場で受験が可能(ただし、受験料は高額である)
- ペーパー形式試験が選択可能なので、(TOEFLと違い)慣れた紙での受験をすることができる
- IELTS対策コースを持つ英語スクールもあるので、勉強する上での選択肢がある
おすすめ英語資格の比較表


CEFRによる6段階の評価軸を基準に、4つの英語資格のレベルについて比較した表がこちらです。
ただしTOEICについては、TOEIC L&Rのスコアをもとに、リーディングとリスニングのレベルで部分比較しています。
出題分野の違いなどはありますが、総じてTOEFLやIELTSは難易度が高く、TOEICの方が簡単な試験です。
英検は5級から1級まで7段階、それぞれのレベルに応じた問題になっておりますので、初心者から上級者まで自分のレベルに合わせた形で受験がしやすい英語資格となります。
CEFR | 英検 | TOEIC L&R (※ 部分的な比較) | TOEFL iBT | IELTS |
---|---|---|---|---|
C2 | 8.5-9.0 | |||
C1 | 1級 | 950-990 | 95-120 | 7.0-8.0 |
B2 | 準1級 | 750-945 | 72-94 | 5.5-6.5 |
B1 | 2級 | 550-745 | 42-71 | 4.0-5.0 |
A2 | 準2級 | 450-545 | ||
A1 | 3級 | 250-445 |
大人になって英語を勉強する際に、おすすめの資格は?


このパートでは、色々ある英語資格のうち、どれから取り組めばよいのかについて解説していきます。
当然目的に応じて変わってきますが、「大人になって英語をやり直したいと考えておられる方」を想定して、説明していきたいと思います。
TOEICはビジネス向きで就職・転職にも有効だが、初心者は英検から
日本在住の英語初心者の方が、英語力を伸ばすために取り組むとしたら、英検かTOEICをおすすめします。
- 多くの会場で試験が受けられ、受験料もリーズナブルなため、気軽に取り組みやすい
- 日本における認知度が抜群で、大学進学や就職・転職の際に英語力の証明として使える
- たくさんの参考書や英語スクールの対策コースもあり、受験に向けた勉強がしやすい
英検とTOEICどちらから取り組むべきか迷われている方は、個人的には英検がおすすめです。
TOEICはビジネス英語寄りの問題が出題される傾向があるのと、受験者のレベルに関わらず同じ問題を受けることになるので、最低でも英検準2級以上の基礎英語力がある方でないと、問題が難しいと感じられると思います。
英検であれば、標準的な内容の英語問題が出題されますし、受験者のレベルにあった問題で、読む、聞く、書く、話す の英語4技能をバランスよく磨くことができます。
もちろん、会社から「昇格の為、今年中にTOEIC ○○点を取ること」などの指定がある場合は、有無を言わさずTOEICから取り組まざるを得ないですが、単純な英語力アップの意味では、英検から取り組まれることが最適です。
その他、英語学習において参考になる記事も書いていますので、よろしければこちらも参考にしてください。




他の英語資格は、目的に応じて挑戦
今回ご紹介した英語資格以外に、日本で受けられる英語資格には下記のようなものがあります。
- 全国通訳案内士試験
- 国連英検(国際連合公用語英語検定試験)
- 日商ビジネス英語
- ケンブリッジ英検
- ビジネス通訳検定(TOBIS)
- 翻訳専門職資格
- ほんやく検定
- TEAP
これらの多くは受験者数を公開していません。
それぞれ「通訳・翻訳家を目指す」、「将来国連で働きたい」、「大学入学で必要」など具体的な目的に応じて受験を考えればよいです。
まずは英語資格の国内トップ2である「英検」か「TOEIC」に取り組み、その上でさらに必要という場合に挑戦する形が、英語学習の効率の面でもよいと思います。
大学受験で活用できる公的英語資格
大学入試の際、英検やTOEFL、TOEIC、TEAPなどさまざまな外部検定スコアを出願資格としたり、得点化して合否判定に利用したりする「英語外部検定利用入試」を認める大学も出てきました。
大学受験パスナビ というサイトでは、このような英語外部検定利用入試を実施している大学を検索することができます。
英語資格対策コースのあるアプリ・スクール紹介


英語資格対策コースのある英語学習アプリと英語スクールについて、それぞれの特徴と共に紹介します。
英語学習アプリ
英語スクール
高価格帯から低価格帯まで、コーチングスクール18社を徹底比較していますので、英語コーチングに興味のある方はこちらも参考にしてください。


まとめ
ここまで、大人の方が英語勉強に取り組む際のおすすめ英語資格についてご紹介してきました。
記事の中でご紹介させていただいた受験者数などは、あくまで日本での受験者数であり、世界全体でみればTOEFLで年間約230万人、IELTSで年間約300万人と、英検やTOEICにも並ぶ受験者数となっています。
知名度としても英検やTOEICと比べ、TOEFLやIELTSの方が海外では高いといえるでしょう。
どの資格に挑戦されるかは目的によるかと思いますが、日本在住で基礎からの英語力アップを目指されるのであれば、まずは英検から取り組まれることをおすすめします。
この記事を最後まで閲覧いただきまして、ありがとうございました。
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